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2007年4月22日 (日)

アメリカ視察 ⑥

アメリカ研修では、自然がつくりだした渓谷の地質についてや、国立公園での環境保全に対する取り組みや集客方法などを学ぶことになる。もうひとつ、研修中に学生たちにしっかりと見てもらいたいのは、ネイティブインディアン遺跡と彼らの暮らしについてである。

Pict0075Pict0020コロラド川流域のエリアで隆盛な文化を築いた民族にアナサジ族がいる。岩の絶壁の下に独特の建築方法でつくられた住居は、西暦1000年頃に多くが建設されていて、アナサジ文化の繁栄がその頃に最高潮に達したとされている。しかし、アナサジ族の人口は1300年頃から、急激に減り始める。16世紀後半にスペイン人によるアメリカ西部の開拓がはじまった頃にはアナサジ族の文化は完全に衰退していて、その末裔のほとんどがホピ族に吸収されていたのだった。数年前まで考古学者たちの間では、アナサジ族が忽然と住居や壁画のみを残して消え去ってしまったと言われ、アメリカ大陸のミステリー、7不思議みたいな感じのひとつになっていた。

P3160436Pict0079I-nacが訪問する予定のアナサジ遺跡は、かなりマニアックな場所になる。遺跡自体が観光地になっていて、ビジターセンターもあり、ガイドもいたりして、詳しくその歴史や文化に触れられる場所もあるが、りお太郎はあえて、ほとんど人がいかないような遺跡に学生たちと一緒に行きたいと思う。地図にさえ載っていなくて、アクセスが悪く、何時間も藪の中を歩かないとたどり着けないアナサジ遺跡がある。そこには観光地の遺跡では感じられない、静寂さと神聖な空気がある。遺跡の前に立っていると、アナサジたちがそこに住んでいた過去が、そんなに遠い時間ではないと思えてくる。

Pict0037_1Pict0050P3150408アナサジ族は生活の中で、神に祈りをささげることが最も重要なことだと考えていた。そのアナサジの神というものは、りお太郎的な解釈でいうと自然そのものだと思うのだが、自然から得ることができる恩恵は、アナサジたちが生きていく上で、当然欠かすことのできないものだったに違いない。自然に対して感謝する気持ちは、アナサジたちが暮らしていた1000年以上前であっても、文明がすすんだ現在でも、同等に人間が持つべきものだと思うが、自然への思いは、現代人とアナサジ族とではものすごい差があるだろう。アナサジのように自由に岩壁を昇り降りする技術も、神聖な心さえ持たないりお太郎でも、アナサジの遺跡に行く度に、自然を身近に感じさせてもらえる。

  P3160474    Pict0065 Pict0070_2

撮影場所はグランドグァルチ by Rio & Takehiro

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