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2012年9月 4日 (火)

三陸海岸を、自転車で行く ③

この自転車の旅の初日、目標としていたのは女川まで行くことだった。女川はちょうど三陸海岸の南の端なので、キリがよい場所だと思っていた。まだ体が慣れていないから、無理をするつもりはなかったが、石巻から女川に向かい、走行距離80kmを超えてもまだまだ元気だったし、仙台空港からずっと暑い中を力強く走って来たことが、明日以降の自信につながるだろうと感じた。

小さな港町である女川には原発がある。この原発にも、ものすごい津波が迫っていたようだが、施設が高台にあったため、間一髪のところで福島のようなことにはならずに済んだそうだ。それとは逆に、三陸海岸特有の狭い入り江の奥に位置している女川町自体は、甚大な被害を受けた。実際、海から少し離れた場所では普通の田舎町といった印象しかなかったのに、町の中心に下りていくと、そこにあったはずの市街地が完全になくなっていたので驚いた。すでに、ほとんどのがれきは撤去されていたのだと思うが、だだっ広い空き地となってしまった町の中心と、港があっただろう場所に残されている建物の残骸などから、そこに港町が存在していたことを頭の中で想像するしかなかった。

これが現実(youtubeより): http://www.youtube.com/watch?v=CCSTYTq_mJQ

初日の宿泊場所は、女川湾に突き出ている「崎山展望公園」にしようとかなり手前から決めていて、女川の町と太平洋を一望にしながら、テントを張って寝る計画を勝手に立てていた。今回の旅のお供には、チャリダーの定番、「ツーリングマップル2012東北版」を持ってきており、この地図には震災後の情報も掲載されていたので、信頼を置いていたが、最後の最後で、この地図には全く載っていない状況に出くわすことになった。

女川から「崎山展望公園」までは、国道398号の上り坂をひたすら進む。この道路の状態は完全復旧からはほど遠く、至る所で工事が進行中で、舗装がされていないところがあるので自転車にはツラかった。しかも、やっとのことでたどり着いた公園は崖崩れによって立入禁止であった。この展望公園を目指し、疲れが溜まってきた体を振り絞って急坂を登ってきたので、この状況に行きあたったときは「マジか~!」と叫ばずにはいられなかった。

狭い道路の脇には、キャンプをするスペースを見つけられなかったので、ガタガタで、アップダウン連続の398号をもうひと踏ん張り走ることにして、地図の上に海水浴場マークがある御前浜まで行くことにした。自転車の走行距離メーターは95kmとなり、やっとキャンプに適した場所を見つけたところで、その日の行動を打ち切ることにした。

長い長い一日の果てに到着した御前浜には、人家は1軒、2軒しか見られず、本当に何もない場所だったが、そこでたまたま出会った人から話を聞いたことが、石巻や女川を目のあたりにしたうえに、さらに深く考えさせられるきっかけをくれることとなった(つづく)。

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